「天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。 」 山口 真由さん書籍レビュー
東大を主席で卒業、財務省官僚から弁護士に。一見すると、頭の出来が違う別次元のハイパーウーマンに見えてしまう彼女ですが、書かれている内容は、実にリアルなモチベーションを上げ、努力を続けるためのセルフマネージメント術。
幻聴が聞こえるレベルまで努力をした山口さん
司法試験の2週間前に19時間30分の勉強、眠気と戦うべく冷水を張った洗面器に足をつけて勉強を続けていたら、幻聴が聞こえたというエピソードは、もはや狂気の沙汰。
どれだけ厳しく自分にムチ打っとんねんと突っ込みたくなりますが、「継続するためには、負担を徹底的に軽くする」と、厳しくしすぎても絶対に続かないとも話をされています。努力を続け、結果を残してきた彼女の言葉は、とてもリアルで、ただの天才ではないことがよくわかります。
努力を続けるためのちょっとした工夫
・読書は1回精読するよりも、7回素通して読むべし
・楽なもの8割、努力が必要なもの2割が黄金比
・パソコンのパスワードを努力目標のキーワードに
・外圧をうまく取り入れてスケジュール管理
・ひとつを使い続けて、減らし続け、努力の「見える化」をはかる
・数字の単位を変えて、努力の結果を実感しやすくする
・努力をする際は具体的な「量」の数字を目標にする
・努力の対象はひとつに絞るべき
・タイムリミットがある朝に努力してみる
・みずから遊びを提案してはいけない。また、人の誘いは2度までは乗ってはならない。
・ルールの「抜け道」は自分を説得するための、正当な理由がつけられることがポイントです。あえてひとつの「抜け道」を作ることで、他の抜け道を許さなくする
思い描くべき「理想像」は明日の自分
夢や目標を思い描いてみようと言われても、イマイチ腑に落ちなかったのですが、この言葉は深く刺さりました。
「5年後、10年後といった抽象的な理想を追い求めるのに意味があるとは思えません。常にこうありたいと願う自分像を、自分の一歩だけ先において、いまの自分を一歩進めるということを繰り返す。」
彼女の言葉には、昨日の自分より、今日の自分、今日の自分より、明日の自分と、今の自分から一歩進め、努力を重ねて継続していくぞという、彼女の強い意思を感じます。
小学校の夏休み、宿題を最終日にまとめてやっちゃうタイプの人にこそ読んでもらいたい一冊です。